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2009年01月08日
次回更新日 1月13日 【毎週火曜日更新】
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トップ > in-職hyper(いんしょくハイパー)田中司朗の実力店長はここが違う!〜月刊飲食店経営同時掲載〜




人の喜びの陰にあり」やきとり1本に心を込め、
感謝と感動の毎日

総本家備長扇屋 高浜店 佐野 雅晃 店長(24歳)



 扇屋の営業方針は笑顔・元気・活気。高浜店はこの方針を基軸に、「笑顔・元気な声・愛コンタクト」を日々の営業で実践している。「元気だけが売りではなく、活気があってしかもていねいなお店を目指しています」と佐野店長。その姿勢は扇屋の原点だ。

  客層はファミリーが最も多く、サラリーマン、女性、カップル、年輩客と幅広い。オープン月には全国でもトップクラスの1000万円を売り上げ、現在まで800万円前後で推移している繁盛店だ。

  ここで筆者からの今月のワンポイントアドバイス。繁盛店の坪あたりの売上基準を覚えておこう。その目安は「坪売上20万円以上」だ。扇屋高浜店の場合、30坪800万円で、坪売上は26万円。これは繁盛店の中でもトップクラスである。さて、あなたの店はいくらだろうか? 繁盛店でなくても、15万円以上は確保したいものだ。





 高浜店はオープン後3ヶ月にして、すでに本部からのQSCA評価が高い。グランドオープン時、佐野店長は次の4つをP/A採用の基準とし、60人の応募者と面接して30人を採用した。
1.自然な笑顔が出ること
2.目を見てきちんと話せること
3.素直に「ハイ」という返事ができること
4.聞く態度・姿勢がよいこと
  3の素直な返事はとても大切だ。教育の原点は躾だが、素直な姿勢がなければ躾はできない。素直で優秀なP/Aを採用→躾・ハウスルールの徹底→教育・訓練、この図式が成立して初めて、質の高いQSCが実践できる。
8日間の新人研修では、毎日個人目標を設定し、明日の課題を掲げ、繰り返し訓練を行った。最も優秀だったP/Aは直営店でさらに1ヶ月研修し、現在アルバイトリーダーとして活躍中。来月から社員になる予定だ。

  事務所には、この店のQSCAに対する想いをしたためたポスターが掲示されている。
「忘れないで!
  あなたの給料は誰に頂いたの? お客様です。
  私達がお客様にできること。
  Q:おいしい料理(やきとり一本に心を込める)
  S:心の通じ合い(かえりみない奉仕の心)
  C:感動するほど綺麗な店内
  A:大切な人を連れてきたいと思う空間」
ところで佐野店長は取材中に幾度も「感動」「感謝」という言葉を口にしたが、ポスターにはこんなことも書かれていた。
「感謝の気持ちをいつも持とう!
  従業員同士でありがとう
  お客様にありがとう
  取引業者様にありがとう
  みんなありがとう
  ありがとう、ごめんなさいを
  素直に言える人になろう!」

毎日毎日これらを眺めることで、自然に店の理念が浸透していく。







 扇屋コーポレーションでは毎年、全国焼師コンテストを実施している。佐野店長は地区予選に出場し、東海第2ブロックで優勝して全国大会へと進み、全国12地区の代表が競い合う全国大会において準優勝に輝いた。

コンテストのポイントは次の通り。

前準備のポイント
1.清潔な身だしなみ(頭髪から足元まで)
2.手洗い手順の徹底
3.定位置管理(使ったものを元の位置へ)
4.炭の管理(火の起こり具合)
5.焼棒の幅合わせ
焼き方のポイント
1.塩・胡椒の量
2.肉の乗せ方
3.裏返すタイミング(きつね色)
4.串の持ち方(5本)
5.お皿への盛り付け(美しく)

  「やきとり一本に心を込め、作品と呼ばれるほどに気持ちを入れて仕上げたい。そして一人でも多くのP/Aに、扇屋の心と技を伝えたい」と佐野店長。「優勝できなかったのは残念。でも社長とP/Aみんなへの感謝の気持ちでいっぱいです」…すばらしい!




 扇屋では全店で飲酒運転と未成年者の飲酒禁止のポスターを掲示している。加えて最近、「飲酒運転防止コースター」が導入された。
郊外型の居酒屋にとって参考になると思われるので、具体的にご紹介しよう。

1.車以外の方法で来店したお客様用の黄色いコースター。「今日も1日お疲れ様でした!」と印刷されている。
2.車を運転して来店し、飲酒しないお客様用の赤いコースター。「宣誓!今日の私はお酒を飲みません」と書かれている。このお客様にはドライバーズウーロンをサービス。(ウーロン茶飲み放題)
3.車で来店し、飲酒したお客様用の青いコースター。「宣誓!今日の私は車を運転しません」と書かれ、タクシーや運転代行、お迎えなどの手段で帰っていただく。このお客様が運転しようとした場合、店長は「タクシーをお呼びします」と言って止め、決して車に乗せない。

  完璧な飲酒運転防止オペレーションである。扇屋ではお客様の来店時、まず「今日はお車でお越しですか」と尋ね、それに合わせて各コースターを用意する。「これまでにトラブルは一度もありません」とのことだ。






 高浜店のQSCの徹底ポイントは次の通り。
Q:日付管理、温度チェック(庫内温度)、先入れ先出し、焼師の前準備と焼き方の伝承まで、すべてにとことんこだわる。
S:常に笑顔で愛コンタクト! 活気があってていねいで、感謝の気持ちが伝わるサービスを提供。
C:5S(整理・整頓・清掃・清潔・躾)の徹底。特にキッチン内とトイレのクリンリネスを徹底し、美しさをキープ。

事務所に掲示されたワークスケジュール表を拝見したところ、P/A一人ひとりに対して店長が「本日の課題」を記入しているのに感心した。本日の課題は朝礼時に発表されるが、朝礼以降に出勤するP/Aも、ワークスケジュール表の自分の欄を見れば目標や課題が一目でわかるのだ。

また退店時には、本日の目標・課題を何%達成できたか、P/Aが店長に報告し、店長がアドバイス。これが習慣化されている。

毎月の全員ミーティングでは、今月の反省、来月の課題、飲酒運転防止コースターや新メニューの状況などを話し合う。さらに佐野店長は、店の社会的使命や地域のお客様への感謝の気持ちを毎回熱く語り、P/Aのモチベーションを上げている。このように毎日毎月の仕事の中で、確実にP/Aとのコミュニケーションを図っているのだ。

「毎日この店でP/Aと一緒に仕事ができることに夢中」だという佐野店長。「社長とP/Aに毎日感謝し、感動しています。社長に叱られるのも幸せです。おかげでもっと成長できるのだから。私たちの店はまだ1店舗ですが、社長とともに会社をどんどん大きくしていきたい」と、夢を語った。

こんなにも純粋に仕事に打ち込み、感動の毎日を過ごしている24歳の店長と30歳の社長に私は感動し、反省もさせられた。若くてもこんな素敵な店をつくることができるんだと、飲食店のすばらしさを再発見した思いだ。佐野店長、ありがとう!

高浜のまちをこれからも活気で満たしてください。