7月16日10:13頃、新潟県上中越沖を震源とするM6.8・最大震度6強の地震が発生。
そのニュースが流れるやいなや、ある男は考えた。
「何かできることはないだろうか・・・」
生田智志(いくた さとし)さん、30歳。彼は、北九州出身。
麺を通じてできることをしたい!という強い思いで、現在、東京・渋谷と立川で「ラーメン凪」と「麺酒場夕凪」を経営している。
「被災地に、炊き出しに行くぞ!」
生田さんのその一声で、ラーメン凪の10人と、後輩までが立ち上がった!
早速、ボランティアセンターに連絡をし、22日(日)に、日程を決めた。
まずは、500食分の材料確保。
「業者のみなさまが、麺などを無料で提供してくれたんです。そのほかに、ジュースやお菓子まで・・。本当に感動しました。」
一丸となる喜びと、ありがたさをしみじみ語ってくれたのは、渋谷で店長を勤める西尾了一さん。
これぞ、業者も含めた飲食業ならではの、心溢れるチームワークかもしれません。
さて、人数と、材料はそろった!
生田さん一行は、土曜の閉店後AM4時、ハイエースに200リットルの水やなべも積み込み、一路新潟へと出発!
現地に着いたのは、AM9時。
何せ、炊き出しなんて、初めてのこと。要領がわからない中、3年前の新潟中越地震にも足を運んだ生田さんが、見よう見まねで先導を切り、みんなに指示。
手際より、「今回の思いの説明」をした。
すでに一丸となっているせいか、それぞれができることを開始。生田さんの後輩である、元飲食・現IT業界の宏行さんまでも、積極的に参加した。
PM12時、スタート。すぐに70人の被災者が並んだ。
まだライフラインが復興していない時。
おにぎりや、サンドなど出来合いの乾いたものばかりの配給で、スープたっぷりのラーメンは、被災者の胃にも
心にも、潤いを与えた。 生田さんたちは、凪で通常行っているサービスにもこだわった。
たとえば、七輪で焼いた旨いと評判のチャーシューも店と同じ。ねぎやコーン、ゴマや七味など、トッピングも選べるようにし、高齢者には、食が進むよう和風味にしてあげた。
大きななべを持ってきて「8人前、入れてください!」と言う人や、「おいしいっ!」と感激する人、人、人!
足が悪くて歩けなくなった高齢者の元にも、積極的にスタッフはラーメンを届けた。「ありがとう・・」心から喜ぶ被災者の笑顔!笑顔!笑顔!
「本気のありがとうには、こっちまでグッときます」BARの店員から、麺の世界に転職した夏山宣明さんは、そうしみじみと語る。
生田「今回は、本当に飲食業で幸せだと思いました。飲食業は、直接食べてもらうことができて、心と心でつながることができます。現地のかたとのコミュニケーションが取れました。」
また、スタッフの見えない部分が見えたという。積極的にゴミ拾いをしたり、みんなが各々、できることをした。
話上手なスタッフ、マスコット的スタッフは、持ち味を生かし、現地で元気を与えていたとか。
通常のボランティアは、PM2:00位までというが、生田さんたち勇士10名は「一人でも多くの人に食べてもらいたい」とPM5:00位まで続けた。
みんなで徹夜で行った炊き出し。現地からは拍手までいただき、元気を与えるつもりが、元気をいただき、素晴らしいパワー交換ができた。

喜びと感謝が渦巻くなかで、スタッフ全員、終わるまで疲れを感じなかったそう。
最後に、生田さんが飲食業について語ってくれた。
「飲食人は、ほかの業種に比べて感じ取る力に長けている人が多いと思います。自分の足りない部分をわかっている人も、それを何とかしたいとさえ思うなら、飲食の世界に飛び込むことをお勧めしたい。
私たちは、500円や600円の一杯のラーメンに思いをつけています。思いをつけたぶんだけ、直接、お客様の喜ぶ顔がみられるやりがいがあります。何ができるか、何がしてあげたいか、スタッフには、そのBtoCを身につけさせたいと思っています。」
生田さんの夢は、「多くのラーメン屋をまとめる」こと。麺を通じてできることをしたいという生田さんは、ラーメン屋をまとめることによって、大きな貢献をしてくれるだろう。
この中越沖地震で、お客様以外にもボランティアで幸せを与えた「凪」
生田さんを中心とした凪の勇士たちは、近々、その夢を実現するだろう、オーラを感じさせる。
今回、ボランティアに参加し、このin-職ハイパーにもつなげてくださったIT業界の赤川宏行さんは、「IT業界は、どちらかといえば思いやりに欠けるところがあります。私は飲食業界を経験し、その思いをITにも・・と思っています。飲食とITの素晴らしい部分を融合する、架け橋になることが夢です」と、グローバルな展開についても、語ってくれた。
|