update 09/09/01

ビューティ&ヘルシー!「ハレノヒ」が急成長中!

 メタボリック時代の注目料理として最近人気が高まっている蒸し鍋。油を使わないヘルシーさや低カロリー、素材の持ち味を楽しめる料理として、ダイエットを気にする女性などにも人気だ。もうひとつ、このような女性たちが美容と健康に良い素材として注目しているのがコラーゲンだ。
そんな中、飲食業界で人気店となっているのがコラーゲン鍋の店(汁)ハレノヒと、野菜の蒸し鍋の店(畑)ハレノヒだ。ハレノヒは「ビューティ&ヘルシー」をコンセプトとし、20代〜30代の女性客をがっしり掴んでいる要注目の店である。ハレノヒの前に業態を表す漢字を入れ、(畑)と(汁)としているのがユニークで斬新だ(「まえはたけ」などと呼ぶ)。
 最初にオープンしたのは(汁)ハレノヒで2007年のこと。1号店となる中目黒店、2号店となる西麻布店がともに都内でヒットを飛ばし、美容に関心の高い“女性タレントご用達”の店として一気に浸透していった。ちなみに客単価は4000円弱だ。
 その後、2008年6月に出店した新業態が(畑)ハレノヒ。看板メニューの「ムシケン」1,890円は、「蒸して健康」を略したもので、野菜の蒸し鍋だ。加えて一品料理も充実しており、定番の一品料理とさらにビールやオーガニックワインを525円均一にして、リーズナブルな価格で提供している。


違った経歴を持つ二人の経営者の、異色のコラボレーション

 現在、(汁)ハレノヒ3店舗、(畑)ハレノヒ3店舗の計6店舗を展開しているノスプロダクター株式会社だが、もともとは広告制作会社としてスタートした。
 経営者はクリエイティブ畑を歩んできた小野坂氏と、スターバックスで10年以上勤務してきた黒石氏。小野坂氏は会社設立当時を次のように振り返る。「会社を立ち上げたのは2005年9月。僕は広告代理店出身で、その頃はまだ飲食ビジネスの経験はゼロでした。」
 一方、黒石氏はこう振り返る。「僕はアメリカの大学を出た後、帰国してスターバックス1号店にアルバイトとして入りました。それから社員になり、マネージャー、エリアマネージャー、構造改革部長とキャリアを積みました。店が1店の頃から780店になるまで、スターバックスの成長とともに歩んできたのです。もともと40歳になるまでに独立しようと思っていました。小野坂とは、友人と通じて知り合い、よく一緒に飲みに行っていました。広告制作会社としてノスプロダクターを立ち上げようとしていた小野坂がから飲食店を作りたいという話を聞き、経営に参加をしました」
 小野坂氏によれば、「広告と飲食は似ている」という。「広告はマスに訴えるもの。一方、飲食もお客様相手の商売です。どちらも“人に喜んでもらいたいものを作る”という点では、ゴールが一緒なのです。」さらに黒石氏は「“世の中に何かを成したい”という願望が二人に共通していた想いですね」と続ける。


成長の過渡期にある企業。新入社員は幹部候補

 「ハレノヒを立ち上げるにあたって、女性同士がこんな感じで鍋を食べに行く文化がないと考えていました。鍋をつつき合いながら、会話する場がない。そういった場(店)を提供したいと思ったのがはじまりです。」
 親しみやすく明るい響きのする店名、ビューティ&ヘルシーというコンセプト、コラーゲン鍋の商品名を「ビューティ鍋」とすることなど彼らのクリエイティブな発想によって(汁)ハレノヒは誕生した。そして、彼らのマーケティングの狙いは的中し、(汁)ハレノヒのお客様の9割以上が女性客で、オープンから大繁盛している。今後は年に3〜4店舗のペースで出店を重ねていく計画だ。「僕らはビューティ&ヘルシーをキーコンセプトとしたハレノヒのシリーズを増やしたいと考えているのです。例えば、カフェなら(茶)みたいな感じで…」。
 そんな将来の展望を熱く語る二人は、「新入社員は幹部候補として採用したい」と話す。同社の今後を支えるキーパーソンたちを迎えいれていく意向なのだ。企業の成長の過渡期にいる同社だからこそ、「今入社してきた人は、業態開発から出店、メニュー開発、店舗運営、店舗統括など、いろんな仕事のステージを経験できるのだと思います」と仕事の魅力について話す。
 香川出身の小野坂氏と、大阪出身の黒石氏。東京出身ではない二人は、いつかは地方、やがて海外まで店舗展開する夢を描いている。