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第165回 株式会社ジー・ピー・アイ 代表取締役社長 岩崎 肇氏
update 10/08/31
株式会社ジー・ピー・アイ
岩崎 肇氏
株式会社ジー・ピー・アイ 代表取締役社長 岩崎肇氏
生年月日 1974年8月1日、千葉県生まれ。
プロフィール 大学卒業後、米国カリフォルニアに留学するも半年で「やるべきこと」を発見し帰国。1999年4月、人々に驚きと喜びと感動を提供するエンターテインメント事業を展開する株式会社ジー・ピー・アイを設立。フレンチレストラン『貝殻亭』の経営を引き継ぐ他、炭火地鶏店『話楽酒楽』、スウィーツ店『Patissirie Le Jardin du Soleil』等の運営やワイン卸販売を行なう。また“衣食住”でのクオリティオブライフ向上をエンドユーザーに提供する事業目標を掲げ、現在は“住”分野の緑化事業にも着手している。
主な業態 「貝殻亭」「話楽酒楽」「Patissirie Le Jardin du Soleil」
企業HP http://www.gpi-group.co.jp/
"自分探し"のためアメリカ行きを決意。発見は授業ではなく、大自然の中にあった。真っ暗闇の砂漠の切れ目に、突然煌々と輝く一大エンターテインメントプレイス、ラスベガス。「これだ!」。自分の手で日本にラスベガスを作るため、会社を設立。社会経験ゼロ、25歳の社長が誕生した。

目標のない就職活動への違和感

「企業活動を通して人々のクオリティオブライフの向上に貢献する」。これは株式会社ジー・ピー・アイの企業哲学だ。そして面白いのはこの続き。例えば「緑あふれる惑星を目指し、かけがえのない緑を感じ“地球の緑は美しい”と言ってもらえる努力をする」とある。
飲食事業を展開する企業として1999年4月に誕生した同社は、実は10年スパンで事業領域を広げ、2030年には“衣食住”のトータルで人々の生活向上に貢献する企業となることを目標としている。もちろん事業展開や企業としての使命、ビジョンを先頭に立って考え実践しているのは、若干36歳の社長、岩崎氏だ。
1974年8月、千葉県に生まれた岩崎氏は、父、母、妹の4人家族で育つ。幼少期からサービス精神旺盛なキャラクターで、遊びに来る従姉妹のためにイベントを企画したり、いつものゲームがよりエキサイトするようなルールを考えてはみんなを楽しませたという。
父親は半導体製造装置メーカーや大手金融機関など、主に外資系企業の経営に携わっており、そんな岩崎氏の自主性を大切に育もうとしたのか、息子の進路や就職には寛容だった。
「大学4年で就職活動をはじめたのですが物凄く違和感がありました。やりたいことが分からないのに会社を選ばなければならないことが胸の引っ掛かりになって...」。社会と対峙することとなった岩崎氏は、自分が何がしたいのか、何をすべきなのか見つからぬままの就職活動に疑問を感じたという。そして出した答えはアメリカ留学。非日常に身を置き刺激を与えれば、自身がシャッフルされおのずと答えが出てくると考えたからだった。
自らの思いを正直に両親に話すと「お前が考えて決めたことなんだから応援するよ」とあっさりと了承。岩崎氏は、大学卒業と同時にアメリカカリフォルニア州サンフランシスコへ渡る。

究極のエンタメの地、ラスベガスとの出会い

留学を決めてから必死に語学を学び経営学を専攻した岩崎氏は、アメリカの学生生活を満喫する。平日は寝食を忘れるかのようのどっぷりと勉強に浸り、週末は小旅行を楽しむ。1,000ドルで購入した愛車・フォードの中古車を運転して、ヨセミテ国立公園やレイクタホなど、サンフランシスコの近隣を旅しながらアメリカの大自然を全身で味わった。
そして“それが見つかった”のは留学から半年が経過した頃だった。約10日間の長期休暇をとった岩崎氏は、愛車を飛ばしいつもより遠くに足を伸ばした。ロサンゼルスからグランドキャニオン(ネバダ州)へ。しかし宿もガスステーションも見当たらないまま砂漠をどこまでも走り続けるうち、いつしか日はとっぷりと暮れ、気付とくなんとガソリンが殆ど残っていない。「ヤバイ!」と冷や汗が吹き出た瞬間だったという。「砂漠の縁みたいな所に来てしまって、焦って車を降り下を見たら、まるで宝石をひっくり返したようにキラキラ輝く街が見えたんです」。ラスベガスだった。
煌々とした景色に一気に元気が沸いてきた岩崎氏は、一目散にその光り輝く街を目指した。するとカジノにショー、レストランにホテル…。複合的なエンターテインメントで世界トップレベルのホスピタリティにあふれるラスベガスを満喫するうちに、「自分がやりたいのはこれだった」と気付いたという。そう、人に喜んでもらえるビジネス。岩崎氏は子供の頃から好きだった「人を楽しませること」を仕事しようと思えた瞬間、すべてが符に落ち突っかかりが消えていったという。
「日本にはまだないラスベガス的エンターテインメントを自分で実現させたい!」。寮に戻った岩崎氏は、さっさと帰国準備をはじめてしまう。もちろん周りは驚いたが、やりたいことが明確になれば、今度は4年間という時間がもったいない。帰国の途につきあれこれ思い巡らせたのは、日本で自分が働いている風景だった。「まずは東京ディスニーランドで働こうか、それともホテルのが勉強になるかなぁ…」。空想の世界は選択肢も制限なしだ。

自分で会社をやろう

ところが、である。岩崎氏の帰国が外資メーカーで会長職を勤めていた父親の退職と重なったことで意外な道が開ける。なんと「エンドユーザーを喜ばせる仕事をしたい」という思いで共感した二人は、会社設立で協力しようと意気投合。1999年4月、株式会社ジー・ピー・アイ設立。岩崎氏は25歳でメンバーに加わった。
最初の仕事は、20年続いていたフランス料理店『貝殻亭』の経営だった。地元に根付き人々の特別な日をおもてなしするレストラン。ここで結婚式を祝ったカップルは毎年の結婚記念日を同じテーブルで祝い、子供が生まれれば七五三や入学祝いの節目にも訪れる。そして金婚式に銀婚式…。歴史を刻む『貝殻亭』はなくしてはいけないレストランであり、前オーナーから引き継いだ岩崎氏はこのエンターテインメントを未来永劫継続させる責任を痛感する。
そして広い敷地内に一軒家をリフォームしたカフェを作り「コーヒー一杯で世界旅行」気分が味わえるカフェのモデルを作る他(一部屋一部屋が世界のお国柄を反映した作りになっている)、砥部焼き職人たちとの出会いにより、砥部焼きをもっと多くの方に知ってもらいたいとの考えからショップの拡張したり、広いガーデンに“ナニワイバラ”を育てレストランの名物に育て上げている。
エンドユーザーの喜び、そしてクオリティオブライフに役立つ事業を、という目的を掲げた岩崎氏の仕事は、もはや飲食の枠を越えた。「飲食事業をはじめて10年が経ちました。これからの10年で“住”分野の事業を広げ、その先の10年で“衣”に携わってみたい」。砥部焼きの窯元と共働した販売活動もそうだが、まさにバラの育成はガーデン事業という“住”の一歩となり、現在では自治体や地域の人々が一体となって緑を育て、さらにはナニワイバラを公園でも育てるなど規模が広がっている。
苗木を自社で育て毎年1000株以上を配る活動は、もはや収益を上げるという枠を越えた公共的なもの。冒頭で紹介した「“地球の緑は美しい”と言ってもらえる努力をする」がすでに実施され、地域の人々を和ませ、わくわくさせているのだ。

フランス料理店に小中学生が集う粋な風景

東陽勝田台駅から徒歩5分の便利な立地にある『貝殻亭』。その敷地は700坪と広い。まだ土だけが盛り上がる手付かずの部分も多く、今後はテラスやバラ園の拡張の他、螢を育成するビオトープ(バイオトープ)作りも計画されているという。
「ビオトープが完成したら、地元の小中学生呼んで勉強の場にしてもらおうと思ってるんです」。すでに『貝殻亭』は、ハロウィーンの時期に廃油を使った蝋燭作り、八千代産のカボチャを使ったお化けかぼちゃ作り、仮装パーティなどのイベントを行ない地域の活性化、コミュニケーション作りに貢献しているが、今後さらにその規模や楽しみ方、交流手法を拡大していくリアル計画が目白押しだ。
フランス料理を楽しみながら螢を眺めるというのも乙だが、フランス料理店の大きな庭に地元の子供たちが集うというのも粋な風景だ。キラキラ輝く瞳で螢を追ったり、メモをとったり、あれこれ話し合ったり。新たに参加する子供たちにとってまた『貝殻亭』は忘れることのできない馴染みの場所となっていき、絆と歴史が刻まれていくのだろう。
社長でありアイデアマンである岩崎氏は、正義感あふれる若手政治家といった風貌そのままに、現在の事業、コミュニティ活動と真摯に向き合い、やるべきことが膨らんでいく忙しさを楽しんでいるようにも見える。もちろんその根底にあるのは、生まれ育った千葉県への熱い想いと、思い描く「日本のラスベガス構想」の実現だ。
「これからの20年を一つの目標到達地点として、地域のエンターテインメント化によってより多くの人々の楽しく充実した日々、クオリティオブライフを支援していきます」。会社の利益だけにとらわれない岩崎氏の活動に、今後もじっくり注目していきたいと思わせてくれた。

思い出のアルバム
思い出のアルバム1 思い出のアルバム2 思い出のアルバム3
七五三 中学校時代の修学旅行 留学時代 友人とハワイへ
思い出のアルバム4 思い出のアルバム5 思い出のアルバム6
留学時代 友人とサンフランシスコにて 留学時代 大親友のチャーリーと 留学時代 サンフランシスコ ロシアンヒルにて、この花の坂道を今度作るガーデンでも活かす

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