料理を創る才能はかけがえのないものだ。だが、それと同じくらい、もしかするとそれを越えるくらい貴重で得がたい才能が、店を訪れたお客を楽しませ、優しい気持ちにさせてくれる、接客の才能ではないか。 今多支配人は、まさしくその才能を持っていると思う。それは長年にわたり、お客から絶大な信頼感を勝ち得、品川駅前店が繁盛店であり続けていることからも分かる。

飲食店は、リピーターや常連客を獲得することが重要であると言われるが、今後は、お客の思い出と店の歴史が重なり合うような、つまり一生お付き合いできるような「生涯顧客」をいかに作り出していくかが大切になっている。 名物サービスマンとして、こうした「生涯顧客」を作り続けている今多支配人こそ、目の前のお客にも、彼の物語を読んだだけの人間にも、「感動」を与えられる「お宝」の人材といえる。