どの業界もスター不在では、廃れていきます。
「発掘! 才能お宝探しコンテスト」は、飲食業界の中で、特に光を放つスタッフにスポットを当てようと、in-職ハイパーが初めて企画・開催したものです。 店の大小、知名度、分野等はまったく関係なく、お客さまやスタッフに「感動」を与え続けているかたを対象としました。 はじめは、どんなかたがノミネートされるのか予測できませんでしたが、ふたを開けて驚いたのは、日を追うごとに、世界的なかたから、小さなお店のスタッフまで、非常に高いレベルの「感動」が見事にそろっていったことです。 店という舞台でオーラを放つかたがたとの出会いの連続で、話を聞かせていただきながら、グッと胸がつかえたり、大笑いしたり、本当に楽しい取材の連続でした。目を見張る技術と味の連動性をその場で振舞ってくださったり、話だけではわからない!とご自慢の料理を「心をこめてます」と送ってくださったり、頭とともに舌まで感動したことも多かったです。「心をこめてます」この一言がどれだけ気分と料理の味を変えるでしょうか。

飲食業界には、素晴らしいかたがたが、まだまだ眠っていることを想像すると、心が沸き立つ思いです。いくつか覆面でノミネートのお店に足を運んだこともありました。どこの誰ともわからない私に対して、取材内容どおりのサービスを振舞われたことには驚きました。それこそ紙面では語れない、ホンモノの一流でした。 おもてなしとは、人を選んでするものではありません。
よくみかけるのは、常連でもないのに有名人と見ればどっぷり特別サービスを振舞ったり、取材が入り、流行ってくることに比例して、おもてなしに手を抜くこと。 人間心理としてはわからなくもないですが、私のなかでは、そういう事実を少しでも発見した段階で失格です。理由はそのようなお店は撤退はあれど、続かないからです。 店がとても流行り、スターが誕生したとしても、飲食業の基本は心のこもった「おもてなし」。これが要です。流行ったり知名度が出ると高みに上り、偉そうになってくる人間心理を捨てて、お客さまに差別のない、心からのおもてなしに力を入れ続け、人を感動させるのは何かを追及した、業界の見本になる店や人が増えて欲しいと思っています。